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【ユマニチュード】で認知症看護が変わる!?

認知症の方とのコミュニケーション技術の一つであるユマニチュードを実際に意識して変わったことをまとめた文章です

上手に対応できず、ついイライラ。患者さんへの自分の行動にジレンマを感じる。そんな自分に落ち込み仕事を楽しくできない。そんな悩みを少し楽にする哲学がユマニチュードという考え方です。今回の記事ではユマニチュードの概要と実際にした感じた感情の変化をまとめてみました

落ち込むナースちゃん

認知症の方の看護が難しい。
どうしてわかってくれないんだろう

豆大福餅

対応に困ることが多いよね。
でも、ユマニチュードっていう考え方を知ると気持ちが楽になったよ

こんな悩みを抱えていませんか?
  • 日々の看護に悩んでいる方
  • 認知症の方の対応に困っている方
  • ついイライラしてしまう、イライラする自分を変えたい方
  • ユマニチュードについて知りたい方

こんな悩みを解決する手がかりになるかもしれません

認知症の方は疾患の特徴から、同じことを繰り返したり「今の環境」に対応できなかったりと不安をたくさん抱えて過ごしています。

忙しい時に同じことを繰り返されるとわかっていても、ついイライラしてしまいがちです

落ち込むナースちゃん

入院して治療なんて無理だよ。
点滴も抜くし、「帰りたい」って言われても無理だよ。

高齢化に伴い平均寿命が伸び、認知症のかたが増えています。

豆大福餅

豆大福餅の職場では平均年齢80歳!!

常にセンサーが鳴り、「帰りたい」の声を毎日聞きながら80代の手術後のせん妄を対応する

そんな病院で

高齢者への看護」「認知症看護」に向き合っています。

理想論でも現実には難しくても

自分の心をすり減らさず、患者さんを安心させる看護ができたら素敵だと思いませんか?

この記事を読んで変わる未来
  • ユマニチュードには4つの柱がある
  • 「見る」「話す」「触れる」「立つ」の4つの柱を意識する
  • 患者の安心=心の平穏に繋がり、対応しやすくなり穏やかに対応できるようになる

自分の言動一つで患者さんを安心させることができる

気持ちは相手に伝わる
豆大福餅

この記事を読むとそのきっかけを作ることができます

落ち込むナースちゃん

認知症の看護疲れた
ここは施設でもない
もう限界!!

そう思う貴方にこそ読んでほしい

分の気持ちが楽になり、相手の認知症の進行も食い止める方法です

この記事を書いているのも私自身がすごく迷悩んだ経験があるからです

目次

対応に悩んだ過去が難しい認知症看護を考えるきっかけ

豆大福餅

ユマニチュードを知ったのは患者さんとの関わりに悩んだから

急性期の忙しくバタバタした病院で、術後の患者さんを見ながら認知症の患者さんの対応に困ったことがありました。

ゆっくり話も聞けず、ついイライラして自分の態度に自己嫌悪。

「どうにかしたい」そう思ったのがきっかけでした

一冊の本との出会いが自分の関わりを変えるきっかけに

関わりに悩んでいた時一冊の本に出会いました。

家族のためのユマニチュード
  • 「家族のための」と書いてあるくらい読みやすかった
  • 自分自身の看護を振り返りながら読めた
  • 関わりに悩んだときに繰り返し読みたくなる本だった
  • 具体的な技法や経験談が載っていたためすぐに実践でできた

気になる方はこちらから

Amazonならサンプルが数ページですが見れるので雰囲気が掴めると思います

ユマニチュードを考案した専門家イブ・ジネストとロゼット・マレスコッティの著書を本田美和子さんが介護をしている家族に対しわかりやすく翻訳した本です。

その人らしさを取り戻す認知症ケアと言われているこの方法。

意識して行うだけで相手との関係構築の助けとなり、相手への理解につながることを実感しています。

ユマニチュードの4つの柱は「見る」「話す」「聞く」「立つ」

ユマニチュード
  • 「見る」「話す」「聞く」「立つ」の4つの柱がある
  • 『上手くいく方法」を考え続け、生まれた技術
  • フランスの体育学の専門家イブ・ジネストとロゼット・まスコッティが考案したケアの技法
  • フランス語で人間らしさを取り戻すという意味の造語

「人間らしさ」「その人らしさ」は最期まで、その人がその人であるために大切なこと

豆大福餅

うまくいく方法を考え続けることで見つけたコミュニケーション技術が”ユマニチュード”

「見る」という技術

話しかける時、横からや後ろから話しかけられびっくりした経験はありませんか?

ニャー子

「見る」と「見える」は違うにゃ。

正面からまっすぐ前をむき、ゆっくり目を見て話しかける


相手が座っていたり、車椅子に乗っている時、介助者が立ったままより目線を合わす方がずっと相手に想いが伝わります。

目を見て話すことで、相手が自分と目線が合っているか、話をわかってくれているかも確認できます

「見る」を実際にやって感じた変化
  • 相手への目線を意識した
  • 目線が合うまでまった
  • 後ろから話しかける事をやめた
  • 相手に伝わる事を意識した

➡︎目を見て5秒待ってから話し出すようになったらコミュニケーションが取りやすくなった

ベテランナースさん

認知症という疾患、そして加齢による視野の変化により視野が狭くなっているため後ろや横から声をかけられても認識できません。

豆大福餅

目を見て話す
ただそれだけで、患者さんが耳を傾けてくれるようになったよ。
興奮し、不安そうな表情が和らいだのが嬉しかった

「話す」という技術

もしかしたら声が聞き取りずらく、話す内容も「部分」しか聞こえてない可能性もあります。

落ち込むナースちゃん

何度も同じことを聞かれて、
「さっきも言った!!」とつい口にしてしまう

イライラすると声も大きく、口調も厳しくなります。

話し方態度は言葉以上に、相手に情報を伝えます。

豆大福餅

自分がイライラしてたら相手にも伝わる。
途端にコミュニケーションが困難になる

ポイント
  • 笑顔でゆっくり、低い声で話す
  • 一度にたくさんのことを言わない
  • 言葉で説明しすぎない
  • 相手の話を最後まで聞く
  • 口の動きで伝わることも意識する

加齢とともに情報の処理がゆっくりになってしまうため、次々情報を言われても整理ができずさらに混乱してしまいます

豆大福餅

ゆっくり話す。ただそれだけ。
それだけでも相手の態度は変わるよ

目を見て笑顔で話しかけてくれる方に好意的な感情は持っても嫌な感情は持たないのではないでしょうか。

「話す」を実際にやってみた変化
  • 「はじめまして」を何度も繰り返す
  • 「さっき言ったよ」は言わない
  • 自分が思う以上にゆっくり話す
  • 聴力がどれくらいかを意識する

➡︎何度もはじめましてを笑顔で繰り返しゆっくり話すと、安心してもらうことができ帰宅願望もやわらぎました

「触れる」という技術

相手に触れるのはふれ方次第で、相手に恐怖を与えてしまうくらい相手に近づく行為です。

認知症の方にとっては「初めて会う人」かもしれません。

知らない人に急に話しかけられ手を取られることは不安で恐怖です。

落ち込むナースちゃん

自分は相手を知っているけど、知らない人から急に「●●さん!!」って呼ばれたら怖いよね

「触れる」というのは看護師という資格を持っているからこそできること

触れ方にも技術があります

触れ方のポイント
  • 大切な家族に触れるように
  • 上から「掴む」ような触り方はしない
  • 幅広い面でそっと支える

相手に触れるという行為は、相手に気持ちが伝わります

立ち上がる時、相手を支える時どんなふうに触れていますか?

自分ならどんなふうに触れて欲しいですか?

「触れる」行為は相手に安心と大事にされているという感情を与えます。

幅広い面でそっと支えるを意識してからコミュニケーションを取りやすくなりました。

ベテランナースさん

自分の大切な人に触れるように接したいですね

「立つ」という技術

転倒により骨折、ADLが低下したり長期入院で歩けなくなってしまったり動かさないと人の筋肉は低下します。

人は一日臥床すると3%の筋力が落ちると言われています。3週間過ごすと全体の40%の筋力が低下します。

立てなくなると刺激が少なくなり認知機能はどんどん低下します。

ほんの少しの意識でできること
  • 一日一回トイレに歩いていく
  • 洗面の時に立って髭剃りや洗面をしてもらう
  • 着替えの時支えながら立ってもらう
  • 寝たままではなく座って清拭をする

体を起こすことで肺機能の維持にもつながり廃用症候群の予防にもなります

看護のポイント

認知症の悪化予防、廃用症候群の予防になるので無理のない範囲で日常生活に取り入れていく

「そんなことで」と思うかもしれません。

一つでも意識することで、明日からの看護が変わっていきます。

ニャー子

効果があるなら一度試しにやってみるにゃ!!

ユマニチュードを意識して変わるコミュニケーション

認知症看護が一人一人症状も違えば、対応も違います。

正解は分かりませんし、日々難しいなと感じることもたくさんあります。

忙しい中で優しく対応できずついイライラする時もあります

落ち込むナースちゃん

理想論だよ!こんなの無理だよ!

その気持ちよくわかります

ベテランナースさん

忙しくストレスが多い毎日で看護を頑張っているこの記事を読むあなた自身をどうか責めないでくださいね

上手くいかないその関わりは「忙しい環境」が原因のこともあるからです

それはあなた自身ではどうにもならないことですよね

もしゆっくり対応できる時間と自分の心の余裕があればと思ったことが誰しもあると思います

私自身がそう思うこともありましたし、今も忙しく余裕がない時は思うことがあります

時間と気持ちの余裕がない時こそ思い出して「一つでも実践」してみてください

それから何か変わるかもしれません

ユマニチュードを実践して変化を実感したこと

ニャー子

実践して何か変わったにゃ?

実際にユマニチュードを意識して関わった結果、患者さんが穏やかに過ごすようになったと感じています。

相手の不安に寄り添い、相手に伝わるように言葉を伝える

「帰りたい」を繰り返す方への対応

圧迫骨折で入院の 豆福 花子さん(仮名)88歳

混乱している高齢の女性
  • 「もう家に帰るの」「家族はどこ」「あなた誰」「家族はここにいるの知ってるの?」「もう家に帰して!!」「警察呼ぶわよ」と繰り返し病院であることを認識できていません。
  • センサーマットが頻回になりだんだん興奮してきています

こんな時どう対応しますか?

意識せず関わる
意識して関わる
  • 「さっきも言いましたよ」
  • 「○○しないでください」
  • 早口で相手の言葉を遮る
  • 目線を合わせない
  • そうなんですねと傾聴
  • 何度も同じ話を相手に合わせ繰り返し説明する
  • ゆっくりと聞き取りやすい声で
  • 目線をあわせ、必要なら体に触れながら

知らない場所で知らない人に囲まれていたら「不安」が強くなり「帰れない事実」に苛立ち、入院している理由がわからなければ「ここにいる理由」もわからない

そんな状態では帰りたくなりますよね

ニャー子

興奮すると対応にさらに時間がかかることもあるにゃ

ベテランナースさん

意識して関わり患者さんの不安を聞くと徐々に落ち着いてきます

対応する時に意識していることは「混乱」「興奮」させないこと

  • 「帰りたい理由」や「行動の理由」を聞く
  • 自己紹介をして相手に自分のことを知ってもらう
  • 入院していることを繰り返し伝える
  • 「ここに居ていいこと」を伝える

興奮」「混乱」「不安」は認知症を悪化させる

豆大福餅

今も試行錯誤中。
それでも私の夜勤の時は「ゆっくり寝てくれる」方が多いのも事実

人と人が出会い関わる時、そこには関係が生まれます。

時には認知症の方の行動に戸惑うこともあります。

行動の理由がわからず否定したり怒ると認知症の方の不安は高まり病気の進行につながります

ベテランナースさん

根気強く関わることが大切

入院し、治療を行い早めの退院を目指す。

在宅で介護をする家族のためにも、在宅へ帰るためにも認知機能の低下は最小限にしたいですね。

まとめ
  1. 「見る」:正面から目線を合わせ、しっかりと見る
  2. 「話す」:ゆっくり低い声で理解ができているのかを確認しながら
  3. 「触れる」:あなたを大切に思っていますと思いを込めながら
  4. 「立つ」:その人の持つ能力を最大に発揮できるように

参考HPと書籍

日本ユマニチュード学会

講習会、研修も行っています

*2022年度はオンラインでの研修になっています 

豆大福餅

記事を見ていただき、ありがとうございました!!

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