入院時から取り組んでいる退院支援。最近特に病棟での取り組みが注目されるようになりました。看護協会が行なっている退院支援看護師養成研修。参加されている方もいろんな病院、訪問看護など自分の職場以外のことも知れる貴重なチャンス。興味ある方は参考にしてくださいね
退院支援について最近よく言われるけど、難しい
患者さんの自宅での生活がイメージできないと難しいよね。
退院支援看護師養成研修に参加するとヒントがもらえるかも!
2021年の研修に参加してみたので参考にしてみてね
退院支援が苦手だったこの記事を書いている豆大福餅は
看護部からのすすめもあり、看護協会が主催している2021年度の退院支援看護師養成研修を受講しました。
自分が思っていたよりも「在宅」と「病院」をつなぐ退院支援を面白く感じたので記事にまとめてみました。
退院支援とは患者さんが自分の病気や障害を理解し、退院後も必要な治療・看護を受けながら、どこで療養するのか、どのような生活を送るのかを自己決定する支援
興味のある方はぜひ受講してみてくださいね
働き方に悩んだり病棟以外の地域で働きたい方は転職アドバイザーに相談してみましょう
退院支援と退院調整の違い
自己決定を支えるのが退院支援なんですね!
退院支援と退院調整は違うんですか??
退院支援は自己決定の支援、退院調整は自己決定を支えるために色んな社会資源と協力することだね
退院支援:患者が自分の病気や障害を理解し、退院後も継続が必要な医療や看護を受けながらどこで療養するか、どのような生活を送るかを自己決定するための支援
退院調整:患者の自己決定を実現するために、患者・家族の意向を踏まえて環境・ヒト・モノを社会保障制度や社会資源につなぐなどのマネジメントの過程
退院支援で大切なことは、地域全体で「治す医療」から「生活を支える医療」に転換し、本人の暮らしが継続できるよう関わることです。
入院は患者さんにとって「人生の危機」であると同時に「長く続く人生の一部」
その人が笑顔で退院できる
療養場所で生き生きと生活できる
そのために入院中に看護師ができることはなんだろうと忙しい日々の中で少し立ち止まって考えられたらと思っています。
看護師の働き場所は病院だけではありません。
病院の病棟だけでなく、外来・退院調整室(地域連携室)、地域の施設、訪問看護。
いろんな立場で1人の患者さんの人生を支える。
それって素敵なことだと思いませんか?
退院支援看護師養成研修に興味が出てきました!!
色々教えてください
病棟向いていない、急性期が向いていないと自信を失っている方。
いろんな職種や働き方を知ることで自分に向いている働き方、きっと見つかるはずです
退院支援看護師養成研修って何?
都道府県によってカリキュラムの違いはあるけれど、都道府県の看護協会のHPで「退院支援看護師養成研修」や「退院支援看護師育成プログラム」で調べてみてね
調べたら、大阪・京都・奈良・兵庫・広島・愛知、神奈川などの看護協会のHPで紹介されていたので他の県でもされているのではと思います。
もしなくても「退院支援」の研修は看護協会以外でもされているので民間のセミナーもあります。
ただ、この研修は「資格」ではないので、研修を受けたからといって履歴書に書けるわけでも退院支援専属で働けるわけでもありません。
実際に研修では入退院支援室(地域連携室など呼び方は病院で違う)以外の看護師さんも受講されていました
ちなみにこの記事を書いた豆大福餅は「一般病棟」の看護師です
退院支援看護師養成研修の概要
愛知県看護協会のHPより引用
研修目的 | 退院調整看護師の役割を理解し、その実践に必要な知識と訪問看護の実際を学び、 患者の個別性を考慮して調整できる能力を養う |
到達目標 | ①退院支援・調整に必要な基礎的な知識を学ぶ。②退院支援・調整看護師の役割と機能を理解する ③退院調整実習や事例を通して、自己の課題を明確にする |
対象者 | 看護師実務経験が通算5年以上で、現在退院調整の任にある者又はその予定者 実習施設(訪問看護ステーション)を確保できる者(保健師・助産師・看護師) |
日数 | 6日間 |
参加人数 | 30名 |
参加人数や日数は豆大福餅の受けた研修とは異なりますが、目的や目標、対象者は同じでした。
場所によっては二日だったり、人数を増やしていたりそれぞれのカリキュラムのもとされているようです。
HPで各看護協会のHPを見ると退院支援看護師養成研修のカリキュラムの内容はほとんど同じだったのでそこは統一されているのかもしれません。
事前課題と指定テキスト
課題もあるにゃ?
豆大福餅の場合ですが、研修を受ける前に「なぜ受けたいか」を書いた志望理由書を書きました。
あとは研修の前の事前課題として、資料を見ての感想や自分の今思っている課題・病院の課題を提出するなどがありました。
研修の前に指定のテキストを読んでおく方がいいと思います
豆大福餅が使った指定のテキストはこれでした
カリキュラム
私が受講した研修のカリキュラムはこんな内容でした。
- 退院支援・退院調整を理解するための三段階プロセスを使って
- 地域包括支援センターの仕組みと実際の事例
- 施設における退院支援・調整の実際
- 在宅医療の実際、事例など
- 訪問看護実習
- 事例展開
- 病院と地域をつなぐ看看連携
受講した感想
自分の施設しか知らなかったことが、他の地域の病院や立場の違う看護師さんの話を聞くのは楽しい経験でした。
- 地域包括支援センターって予防事業でこんな取り組みしてるんだ
- 要支援から関わることで早めに介入できる
- 他の施設の実際を聞くと参考になる
- 訪問看護と病棟はつながっている
- 退院支援がスムーズに行えると患者さんが自宅で安心して過ごせる
事例のグループワークなどもあったので、いろんな意見が参考になりました
急性期、慢性期、ターミナルでも関わり方が変わってくるにゃ
一緒に受講した方
豆大福餅の受けた研修ではこんな方々と一緒に学びを深めることができました
- 急性期病院の看護師、地域包括ケア病院、回復期リハ病院など色んな役割の持つ病院の看護師さん
- 訪問看護ステーション、退院調整室(地域連携室)の看護師さん
講師の先生も病院の主任さんや看護部長、入退院センター担当さん、訪問看護ステーションの方など専門的な視点で「その人らしさ」を維持した療養生活を深く考えている方ばかりでした
ゲストスピーカーとして退院支援の第一人者、宇都宮宏子先生も研修を担当してくれました。
*人や人と関わること、仕事が好きなんだなと熱意が伝わってくるサバサバした明るい京都マダムでした♫
宇都宮先生は課題テキストの著者であり、退院支援を全国に広めたすごい人!!
自分の目指す看護がはっきりする
受講してよかったと思ったのは自分の目指す看護が見えたこと。
退院支援を難しいと思うのは、退院後の生活がイメージできないからかもしれません
研修を受けるとぼんやりと見えてくるかもしれません
癌の末期で残された少ない時間
「家に帰りたい」
と思う家族、本人がいたらそれを支えたい。
そう思いました
「治療」「療養」の場である病院。
QOLを考えると自分の好きなことをしたいよね
コロナ禍での影響
このコロナ禍で研修の内容、開催方法も少し変わりました。
今までは対面でしていた研修もオンライン研修になりました。
オンラインでの研修だったんですね
研修はZOOMで
研修はZOOMで全て行いました
人生初のZOOM研修です。
話題になっていたZOOM。
自分がするとは思いませんでしたが、実際にしてみると
なんて便利なんだ!!
と思うくらい。
距離も関係なく話すことができ、自分の用意した文章を画面共有で相手にも共有したり便利な機能があります
訪問看護ステーションの研修
退院支援で難しいのは患者さんの退院後の生活がわからない
何を支援していいのかわからないこと
在宅では病棟以上に動けたりするよ
豆大福餅は退院した患者さんのところに訪問看護の実習にいきました。
病院ではポータブルトイレを使っていた方。
毎日3m先のトイレを使い、室内を歩行器で歩いて元気に暮らしていました。
1日訪問看護師さんに同行し実際の訪問看護を学ぶ実習は病院以外の働き方を知る貴重な経験となりました
「1週間のうち訪問できるのはたった1時間」
それが利用者さんの生活を支える。
予測できる症状はあらかじめ「わかりやすく」
伝えておく必要がある
そう教えてくれた訪問看護師さんがいました。
退院支援も一緒。
退院してもう一度入院しないよう過ごすこと、悪化する前に入院し最短で退院できるよう支えるのが退院支援だと思う
研修で見えた退院支援の難しさと面白さ
研修で退院支援を学び、研修を受ける前よりも退院支援のことを知ることができました。
でも同時に知ったからこその難しさがあり、面白さを実感しています
退院支援の難しさと面白さ
いつまでも家で暮らしたい
高齢の二人暮らしは限界だよー
患者さんと家族の意見が違うとき、高齢独居や認知機能の低下により自宅での生活が困難であったり、社会資源が弱かったり、家族のケア能力が低く難しかったりなどケースはさまざま。
退院時の目標を決めるのが難しいこともあります。
「ベスト」を見つけるのが難しい時もあります。
でもどこかに「ベター」な方法はあるはずです。
退院支援で大切なこと
どんな患者さんも「自宅に帰ろう」と思ったら帰ることができます。
自宅が一番の療養先でない場合もありますが、帰ってきた利用者さんを精一杯支えるのが訪問看護師です
心がけていること
病棟看護師として
「入院中に退院後の課題」を見つけ
「少しでも長く」療養できる方法を
「本人と家族の」意思を支援し
調整できるように働く。
研修中どんなに自宅退院が困難に見える事例であっても
「本人」そして「家族」と「病院」と「地域サービス」が一つの思いを持って自宅で過ごすことができた事例がいくつもありました。
退院支援は入院だけでなく、外来での関わりが一つの介入のきっかけになることも多くあります。
特に病気の告知、悪化時やAD Lが変わってきた時。
いつもきている診療所の患者さんが最近来なくなった時。
関わるきっかけは地域にもあります
これからの日本はいつも在宅、時々病院
地域連携、看看連携、カンファレンスなどで情報の共有が大切
病棟看護師だからできる退院支援とACPの話
病棟の看護師、外来の看護師は時に「人生の大きな決断」や「人生のQOL」を考える必要のある病状説明に同席する
そんな場面に立ち会うことがあります。
病状の変化や病気の進行によって今後の未来を考えないといけない。
「後悔しないよう」に意思決定を支える。
家族には言えない「本音」を看護師に話す患者さんもいるかもしれません。
その意思決定を支えることをアドバンスケアプランニングと言います。
自分で決めた意志でも揺らぐ時はあります。
それでも「誰かに決められたこと」より「自分で決めたこと」をする方がその後の後悔は少ないです
入院し認知症が進む場合が多い。
治療が終了したら早めに退院できるよう入院時からの関わりが大切だね
退院が決まってから退院支援を行なっていたのでは時間がかかります。
「自宅に帰りたい」と望む患者さん
長期の入院は患者さんにとっても医療職にとってもいいことはありません。
早期からの治療、早期からのの退院支援が「今」求められていることです
退院支援看護師をしたい!研修に参加するには?
研修を受けてみたくなりました!!
興味を持ってくれてよかった
看護協会の研修になるから、スケジュールを確認してね
研修の人数自体が30名、40名と少ないので各病院1名のことが多いです。
師長さん・看護部長さんに早めに「受けたい」と伝えてみましょう。
退院支援は限られた日数の中で退院支援を進めていくために病棟看護師が重要な鍵となってきます。
「今まで地域で生活をされていて病状が悪化し一時的に今病院にいる」
そんな患者さんがまた地域に帰るためにできることを入院中に考え、必要な社会資源と協力する。
その役割をするのが退院支援看護師です
研修を受けなくても、地域の社会資源や介護保険制度を知ったり本を読んで勉強できます
日々行っている看護、それが一番の学びですね
退院支援で大事なこと
病棟にいると入院中の患者さんしか知らない。
でも実際は長い人生のほんの一部に関わらせてもらっている
病院は「治療」そして、「療養」の場です。
いろんな患者さんの安全を守るために悩んだり、せん妄により治療を継続するのが難しいこともあるかもしれません。
病棟での退院支援が求められるのは
今までの環境が一番変化するきっかけ、それが入院
だからです。
病気によってADLが変わったり、今まで出来ていたことができなくなったり、大きく家族の役割が変わったりする。
それが入院です。
家での生活を聞きながら、患者さんの困っている悩みを見つけやすく、病気のことも治療のこともわかっている専門職。
それは看護師にしかできないことだよ
退院支援を退院支援室(地域連携室)だけでは難しく、病棟の看護師だからできる専門性が求められています
実は研修に行くまでは私も「退院支援室で全部調整してくれたらいいのに。カンファレンス面倒だなー」なんて思っていました。
でも、看護師は看護の専門職。
患者と家族、医師、コメディカルスタッフ、外来看護師、地域の社会資源の調整するコーディネーターに一番向いているのは患者さんの昼も夜も一日中そばにいる看護師が一番の適任者
ということを学ぶことができる研修でした
研修を受けた感想をまとめた記事は以上です!!
退院支援におすすめの本
課題図書であり、とても参考になった本
記事を見ていただき、ありがとうございました!!
他にもこんな記事を書いているのでまた遊びにきてくださいね♫
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